プリント・ディスアビリティのある学生への 学修支援の一翼を担う (大学図書館)

立教大学 図書館利用支援課 原 修 課長

1、プリント・ディスアビリティのある学生に、大学図書館の所蔵資料をテキストデータにして提供する

立教大学図書館では、視覚しょうがい学生の学修支援のために大学図書館の所蔵する資料をテキストデータ化するのに、スキャネックスを利用しています。

立教大学は建学の理念にもとづき、『しょうがいのある学生の学びへのアクセシビリティを高め、しょうがいのない学生と同等の教育を受ける権利を実現できるよう支援を行う』ことを基本方針としています。
そのため、視覚しょうがいの学生や、本のページがめくれない学生、識字しょうがいで文字が読めない学生など、「プリント・ディスアビリティ」の学部学生・大学院学生の学修を支援するために、「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン」に基づいて、大学図書館が有する図書・雑誌のアクセシビリティ確保のための対応として、資料のテキストデータ化等を行なっています。
しょうがい学生の学修支援は、学内に設置されている「しょうがい学習支援室」が中心になって行っており、教科書のテキストデータ化も支援室が行なっています。教科書は学生が購入しているので、学生の了解のもとで教科書を裁断して、シートフィードスキャナーを使ってスピーディにテキストにすることも可能です。そのテキストデータを、学生は点字ディスプレイや音訳ソフトを使って利用しています。

2、スキャネックスは、図書館の本や雑誌を断裁しないでスピーディにテキストデータ化できる

しかし、しょうがい学生が大学図書館の所蔵する本や雑誌を利用しようとする場合、それらを裁断することはできません。そこで今までは、フラッドベッドスキャナーを使って本をスキャンしていました。しかし、スキャナーの蓋の開閉に時間と手間がかかり、又、本をガラス面に押し付けるので痛みやすいのが難点でした。
その点でスキャネックスは助かります。特に、古くて痛みやすい本、真新しく折り目をつけたくない本などのスキャンに適しています。資料の性質に応じて、スキャナーを使い分けています。
スキャネックスのオートスキャン機能を使うと、ページをめくるだけで自動的にスキャンを始め、本を押さえた指を消し、本の丸み補正も自動的にやってくれます。
本のテキストデータ化は、別途日本語専用OCRソフト「e-Typist」を利用しています(それでも、誤読は発生するので、本文と照合しながら手直ししています。更なる性能アップによる誤読率の低減を願っています)。
しょうがい学習支援室と連携した大学図書館サイドの学修支援活動は、2015年度から試行されています。今年度(2017年度)は、しょうがい学生からの希望に応えて、専門書8点のテキストデータを提供して喜ばれています。今後とも学生からの要望に出来るだけ応えていきます。

2017年12月12日
取材者 水野(A.M.T.株式会社)

 

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